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彫刻家の素描手帳 -Sketchbook by sculptor-

京都で彫刻家として活動しています。素描を主にお見せします。In Kyoto, working as a sculptor. The show mainly drawings.The one wants to look at a sculpture, please click the "sculpture" of the left category column. Thank you!

ラ・パンセ La Pensèes

―彫刻家 佐藤忠良氏のご冥福をお祈りいたします―
Pay my last respects to Sculptor Mr. SATOU Chuuryou


IMG_0004b_20110406172653.jpg


これで私の世代のあこがれの3人の具象彫刻家、
柳原義達氏・舟越保武氏・佐藤忠良氏の3人ともが鬼籍の人となられてしまいました。


佐藤忠良様

駆け出しの頃の私は、あなたの仕事に反発をすら表明していました。
長ずるに及び、功績を認めないほうがおかしいと認識を改めざるを得ませんでしたが。
そして今、制作上の行き詰まりを感じた時、三重県立美術館の柳原義達記念館とあなたのコレクションを持つ守山の佐川美術館は私の巡礼地となって多くの示唆を与え続けてくれます。
佐藤さんあなたの生涯は精進に精進を重ねた偉大な凡人のそれであったと思います。名実ともに「彫刻家」になられたのは実は帽子シリーズの頃ではないでしょうか。佐川美術館へ行き、それへと至る道筋をたどりながらいつも何かを学ばせていただきます。


言語活動の影響をまともにかぶってしまった美術-彫刻制作の現場において
あなたの功績のひとつは「具象彫刻」に多くの俊英と世間の関心を集め続けて後継者支援者の水脈を絶やさなかったことであると思っています。
それだけあなたの作品には人を引き付ける魅力があり、今も日本各地に数多く残るモニュメントがそれを証明しています。
また私の学生時代、あなたの指導される東京造形大学彫刻学科は多くの受験生を集め私学の中で突出して難関であったと記憶しています。そこの卒業生のための「天才塾」(だったと思いますが)今になって私も何か指導を受けに行ってみたかったななどと思います。門前払いをされたかもしれませんが。

私は生前のあなたにお会いしてじっくりお尋ねしたかったことが二つあります。
ひとつめは、帽子シリーズについて、彫刻的な「立つ」構造を説明されるモデルとして
「つりさげる」構造のモビールをなぜ選ばれたのかということ。
ふたつめは、あなたと同じシベリア抑留の経験があり、それに飲み込まれてしまったとも言える香月泰男の人生とあなたのそれとの対照的とも言える違いの秘密についてです。
今となってはどちらも永遠に返答のない問いかけとなってしまいました。


ご逝去直前にあなたの出生の地宮城県が未曾有の大惨事に見舞われてしまった事が残念でなりませんが
どうか安らかにお眠りください。これだけは舟越保武氏に先を越されてしまいましたね。
長い間私たちを引っ張っていただきありがとうございました。
お疲れ様でした!


   ※画像は私の青春時代、大学3年時に石彫講座のエスキスとして制作したものです。
    佐藤先生ならどういうご指導があったのでしょうか。


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テーマ:絵画・美術 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2011/04/06(水) 22:01:18|
  2. 彫刻 sculpture
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
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コメント

忠良さん

忠良さん、亡くなられましたね。
仙台は、何度か行きましたが、守山の佐川美術館にもコレクションあるとは、
知りませんでしたね。
巡礼地としてる、柳原さん(いいですよね~)の記念館も行ってみたいです。

忠良さんなら、どう指導してもらえたか思いますよね。
私達家族の知り合いで、群馬で小さな中之沢美術館をやってる
彫刻家の三谷慎さんという方がいて、大学で忠良さんに習い、
その後ファッツィーニに師事した方がいます。
ずーっと、忠良さんと交流があって、よく話を聞きました。
水嶋さんにも、是非いつか会わせたいな~と思いました。

ところで、10年位前に作ったようなウサギ(MARONIEでやった)は
つくらないんですか~?
是非また作って下さい!  
  1. 2011/04/08(金) 22:29:23 |
  2. URL |
  3. のぐち(オーコシです) #-
  4. [ 編集 ]

仙台へ行けば色々な石膏原型が見られると聞いていたんですが、大丈夫じゃないだろうなあ・・・・。
三谷さんにもそのうちお会いできればです。

柳原義達が生前に三重県立美術館の方と信頼関係があったらしく、代表作素描類を含めてごっそり収蔵しています。大好きな場所です。企画展無視してそれだけ見て帰るというのがよくあります。一般にあまりなじみがないのは寂しいですが、ほぼ毎回ひとりで貸切状態です。
展示替えをしてますからもしお出かけの際はご確認を。

あのウサギのことをそんなに憶えていてくれてるんですね。とてもうれしいです。あの子は名古屋に貰われて行きました。
違う子をそのうちブログにアップしますね。
  1. 2011/04/09(土) 09:42:01 |
  2. URL |
  3. 水嶋康宣 #-
  4. [ 編集 ]

佐藤忠良氏を彷彿させる・・

水嶋さん
佐藤忠良氏を彷彿させる作品でした。
私も学生の頃に佐藤忠良氏の画集を
油絵の具のまみれた手でよく見ていました。
とても懐かしいです。

そして水嶋さんの作品とても美しいです。
石膏のマットな質感が醸し出す柔らかな陰影が
心地いいです。
  1. 2011/04/10(日) 12:19:28 |
  2. URL |
  3. あさのしん #wD.FDBmg
  4. [ 編集 ]

あさのしん様

温かい感想ありがとうございます。
石膏とか土とか、ずっとかかわっていきたいものです。
  1. 2011/04/11(月) 18:16:14 |
  2. URL |
  3. 水嶋康宣 #-
  4. [ 編集 ]

土とか石膏とか・・

水嶋さん

「石膏とか土とか、ずっとかかわっていきたいものです」
共感できるフレーズです。思わずコメントを返したくなりました。

土偶の制作についてのコメントも
とても嬉しかったです。


  1. 2011/04/11(月) 18:49:59 |
  2. URL |
  3. あさのしん #wD.FDBmg
  4. [ 編集 ]

Re: 土とか石膏とか・・

照れますね。ありがとうございます。
土偶については「土偶展」見たわけじゃなくそう思ってるんです。
私の「土偶」てのがひとつできると良いんですが。
  1. 2011/04/12(火) 22:28:31 |
  2. URL |
  3. 水嶋康宣 #-
  4. [ 編集 ]

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