
*版画愛好家より
彼はセルバンテスの「ドン・キホーテ」を好んで絵のモチーフにしたようです。自分自身のイメージが、時代遅れの価値観をかたくなに守る滑稽ともいえる存在だったということでしょうか。
しかしながら若い時の彼は、当時最新の技術であった石版画の技術をいち早く身につけてパリの風刺新聞などでその能力を遺憾なく発揮したことで知られています。
ブルジョワや王族を描くときの辛辣さで投獄の憂き目も見ています。
一方パリの市民生活を見る目は温かく、何気ない暮らしの一こまをしみじみとした共感やユーモラスをもって描いてもいます。もしもミレーが都会を愛していたらこんな絵を描いたのではと思わせるものがあります。
晩年にバルビゾン派の画家たちと親交を結ぶようになるのもうなずける話です。
最後には失明しコロ―に贈られたちいさな家で息を引き取ったそうです。
テーマ:絵画 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2012/06/03(日) 01:02:42|
- ドーミエ Honoré Daumier
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