彫刻家の素描手帳 -Sketchbook by sculptor-

京都で彫刻家として活動しています。素描を主にお見せします。In Kyoto, working as a sculptor. The show mainly drawings.The one wants to look at a sculpture, please click the "sculpture" of the left category column. Thank you!

母へ To my Mother - etching ⅳ-


(Respect for Georges Rouault and Henry Moore)



先日私の母が亡くなりました。
このブログを始めた頃すでに担当医の方から「いつ何時何があってもおかしくない」と宣告を受けていたので、そのことを思うとよく頑張りぬいたと思います。
母が逝くということには、それなりの覚悟もあったはずなのですが、知らずに希望的観測を持ち、いざその時には驚きととまどいを隠せませんでした。

もう呼びかけに答えなくなった母の手を握ったまま私は「お母さんありがとう、ご苦労さま」と、そればかり繰り返していました。それしか言うことができませんでした。


この銅版画は若い頃に作ったものです。当時私はジョルジュ・ルオーに夢中で、ルオーの画集を参考に一生懸命銅版画で模写していました。その頃は、ジョルジュ・ルオーに面会し直接薫陶を受けた方々が大家、重鎮としてまだまだお元気で、その方々の影響を直接間接受けていました。
休みの日、ルオーのコレクションを持つ出光美術館へでかけ、名品の数々を堪能した後、休憩コーナーから見えた少し黄色みを帯びた晩秋の日差しを浴びた皇居を不思議とよく憶えています。


今になって思いますに西洋(キリスト教圏)においては、母子の愛情、家族の絆が至高のものとして繰り返し主要なモチーフとして描かれ、東洋(中国圏)においては大自然の中の点景に過ぎない人間、矮小な人間が主要なモチーフとして繰り返し描かれる。乱暴な区分ですが、人間についての認識の面白い対比だと思います。
もちろんそんなことを考えながらこれを制作したわけではありません。
「ジョルジュ・ルオーの銅版画技法を習得し、ヘンリームーアがSt Matthew’s Church, NorthamptonのMadonna & Childで成功したヴォリュームによる聖性の実現を明暗のトーンで実現する~トカ、ナントカ、カントカ」(恥ずかしい!)


そんなことをうそぶきながら伸び伸びとした青春時代が過ごせたのは父と母がやさしく見守っていてくれたから。ずいぶん後に気付きました。




067b_20121209214358.jpg
お母さん ありがとう やすらかに
Thanks! Momma, Please sleep peacefully.
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テーマ:絵画 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2012/12/10(月) 22:34:21|
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