彫刻家の素描手帳 -Sketchbook by sculptor-

京都で彫刻家として活動しています。素描を主にお見せします。In Kyoto, working as a sculptor. The show mainly drawings.The one wants to look at a sculpture, please click the "sculpture" of the left category column. Thank you!

中世キリスト教美術 XXI Be in love in the European Middle Ages

IMG_0014b_20170628191020842.jpg
〈お告げ〉の天使 絹織物 9c初頃 ヴァチカン美術館蔵より
Angel of Announcement, Silk fabric, 9c Early time, Vatican Museum

このシリーズの記事を更新しながら
若き日河原町通りの京都書院や駸々堂で立ち読みした
平凡社ファブリ世界名画集のルネサンス初期の画家たちのことを思い出します
彼らのちょっと変な人体や空間に途轍もなく大事なことを感じてから
私のヨーロッパ中世への扉が開かれていったように思います

中世の画工たちは近世以降の画家たちと比べれば児戯に等しいような画技でありながら
何か離れ辛い不思議な魅力に溢れています


























  1. 2017/06/29(木) 00:00:00|
  2. 中世キリスト教美術 Middle Ages Christianity art
  3. | コメント:0

中世キリスト教美術 ⅩⅩ Be in love in the European Middle Ages

IMG_0011b_20170625075334563.jpg
〈聖母子〉 (エチミヤジンの福音書より) 989 アルメニア エレバン 古文書館マテナダラン
(Virgin and Child〉 (From the Gospel of Ejmiatsin) Armenia Yerevan Archaeological Museum Matenaland

アルメニアに世界最古の教会があります
エチミヤジン大聖堂です
1世紀には十二使徒聖タダイ 聖バルトロマイが伝道し殉教してるんですね

思うにキリスト教は発祥の地から主に西に広がり
仏教は主に東へ広がり
イスラム教だけが東西に広がってますね
くわしく調べると面白そうです

















  1. 2017/06/28(水) 00:00:00|
  2. 中世キリスト教美術 Middle Ages Christianity art
  3. | コメント:0

中世キリスト教美術 ⅩⅨ Be in love in the European Middle Ages


〈哀哭〉画面中の天使 1304-06 ジョット・ディ・ボンドーネ パドヴァ スクロヴェーニ礼拝堂
〈Lamentation〉 Angel in the picture 1304-06, Giotto di Bondone, Padua Scrovegni Chapel

中世末期 ルネサンス初頭 ジョットが登場します
ジョットの登場を以ってルネサンスの開闢とするようです
中世の硬直し象徴的に表現された人物に対し
初めてヒトを”生きているように”表現した画家と言うことです
ヴァザーリの画家列伝に
羊飼いの少年ジョットが岩に羊の絵を描いていたところたまたま大画家チマブーエ通りがかり
生きているように描かれた羊に大いに驚き父親に掛け合い弟子にしたのだという話がのっています
描写の能力をもって画才の現れとする典型的な伝説です

「ジョットがいればレオナルドはいらない」とは美術史家の千足伸行氏の言であったと記憶しています
(確認のため検索したのですがどこにも見当たりませんでした)
美術に長くかかわっておられる方には大してびっくりするような発言でもないはずです
いささかセンセーショナルな響きがありますが美術史の文脈に沿った名言と言えるのではないでしょうか
ジョット(あたり)以降 中世の硬直し象徴的な表現に対し写実的で自然な表現が優勢になっていく
その美術史上の重要なターニングポイントに位置するのはジョットであり
大勢が決してからその行程上にレオナルドは登場したということでしょうか

感じることと見ること
聖性と俗性
と言う二項対立にもならないしどちらとも言えないもので世界は満たされているのですが
私はどちらに与するのかと問われれば
ただし極論で
「中世があればルネサンス以降はいらない」とでも返答しておきましょう








  1. 2017/06/26(月) 00:00:00|
  2. 中世キリスト教美術 Middle Ages Christianity art
  3. | コメント:0

中世キリスト教美術 ⅩⅧ Be in love in the European Middle Ages

IMG_0013b_20170623225053df5.jpg
〈聖パンテレイモン〉 11c モスクワ トレチャコフ美術館蔵
11c Moscow Tretyakov Museum

パンテレイモンは原始キリスト教時代の人物で
棄教を迫られ拷問の末に若くして殉教した聖人です
キリスト教にはこういう聖者が多いですね















  1. 2017/06/24(土) 00:00:00|
  2. 中世キリスト教美術 Middle Ages Christianity art
  3. | コメント:0

中世キリスト教美術 ⅩⅦ Be in love in the European Middle Ages

IMG_0007b_20170615183556162.jpg
〈イメルヴァルトのキリスト磔刑像〉 1160年頃 ドイツ ブラウンシュヴァイク大聖堂
〈Crucifixion of Christ of Imerwald〉 About 1160 Braunschweig Cathedral in Germany





「反芸術」を唱えた方はその後名門美術大学の教授に
そういう呼称で制作を紹介された方はその後名門芸術大学の教授に
お二人の在職中二つの大学ともにオーソドックスな入学試験に終始したように記憶しています






















  1. 2017/06/23(金) 00:00:00|
  2. 中世キリスト教美術 Middle Ages Christianity art
  3. | コメント:0

中世キリスト教美術 ⅩⅥ Be in love in the European Middle Ages

IMG_0010b_201706180715138cb.jpg
〈お告げの天使〉 14c初 イコン マケドニア オフリド 聖クリメント教会 より
14c Initial Icon Macedonia Ohrid St. Kliment Church

美術に限らず教条的な強要が概していい結果に結びつかないのは当たり前のことです
進んでやる気のないことにいい結果が出るわけない
やはり心の問題 気持ちや思いこそが表現の質を決めてしまう

だからといって観察に基づいて制作することが「敗北」と言えるのか
観察―見ることは テクニックの獲得は堕落と言えるのか
極端な話 「反芸術」なる動向その単語の不能と不毛は
造語でもありますし時代の気分をよく伝えてもいますのでおいといて
石膏デッサンを19世紀フランスの造形言語体系の一部とし権力の敷衍と拒否するのも一理
その頃より表現方法の百花繚乱が始まってテーゼと呼べる体系的な美術教育が成立しずらくなっているように思うのです

心や思いの強さは必須でも
腕に技を叩き込むことを疎かにして瞑想思索に耽れば
「美術」は思想哲学との同行を願わなくては何もできなくなってしまう

では「堕落」することなく表現の質を決定してしまうような思いや心をどうやって獲得すればいいのか・・・
中世ヨーロッパの画工たちが残したものを眺めながら思います

徒労に等しいルーチンワークと深い洞察力と・・・・・
想像を絶する厳しい暮らし向きと
そんなことしか思いつきません














  1. 2017/06/22(木) 00:00:00|
  2. 中世キリスト教美術 Middle Ages Christianity art
  3. | コメント:0

父の日に On Father's Day (子供の領分 Children's Corner XXX)

IMG_0002b_2017061807490279d.jpg

おとうさんこんな孫連れて散歩したかったでしょうね

ゴメンナサイ



























  1. 2017/06/18(日) 08:00:00|
  2. 子供の領分
  3. | コメント:0

中世キリスト教美術 XV Be in love in the European Middle Ages

IMG_0012c_2017061623032442e.jpg
〈聖ゲオルギウス〉10c カッパドキア ギョレメ岩窟教会

オフコースというバンドで活躍されたシンガーソングライターの小田和正さんの建築学科の学生時代の論文に
「ルネッサンスの建築がいかに中世の建築を堕落させたか」というテーマのものがあるそうです
(残念ながらどこ探してもヒットせず”あるらしい”としかいえませんが)
それを聞いた時なるほどなと思いました
ルネッサンスの建築って教会に限らず豪壮華麗なものを建て始める
神の住まいではなく俗世の力と富の象徴として建築が表され始めた時
聖性は薄まり小田さんが歌い上げるような細やかな気持ちのやりとりは無骨に踏みにじられる
ただのグズグズした男心?を歌ってるわけじゃないんだと思いました
それを知った頃 シトー派の修道院建築に惹かれていたのでピンとくるものがありました















  1. 2017/06/17(土) 00:00:00|
  2. 中世キリスト教美術 Middle Ages Christianity art
  3. | コメント:0

中世キリスト教美術 XIV Be in love in the European Middle Ages

IMG_0006b_201706132214499e7.jpg
上:『エヒテルナハの福音書』 聖マルコの象徴として獅子 7c末 写本画 パリ国立図書館蔵
下:『バンベルク黙示録』 子羊礼拝より子羊を礼拝する人々 1020年以前 写本画 バンベルク国立図書館蔵

モノを見る際には百聞していないと一見しても分からない
だからこそ逆に
目の前にあるものをひたすら観察し
視覚の捉えるまま
それが何である意味がある価値があるなどの判断を交えず
絵筆なり鉛筆なり粘土なり鑿箆なりを持った手を動かす訓練により
既成概念にまみれていない新たな視覚を獲得する可能性が出てきます
だから「美術」の人間をあんまり問い詰めてやらないでくださいね
たとえ頓珍漢なことを言おうと
言語機能を発達させる時間をほとんど持てていない場合もありますから

論理的合理的に語れないということは
思ったり感じたりしていないということではない
それどころか
論理的合理的体系的な技術を身につけている場合がしばしばあります
ヒトの営みの様々な分野でね

























  1. 2017/06/14(水) 00:00:00|
  2. 中世キリスト教美術 Middle Ages Christianity art
  3. | コメント:0

中世キリスト教美術 XIII Be in love in the European Middle Ages

わたしが中学高校時代に教科書やノートの片隅に描いた落書きコレクション

IMG_0005b_20170611071144e0c.jpg

ではなくて
左上より時計回りに:
〈キリストの復活〉天使        (サウザンプトン詩篇集) 10c末 ケンブリッジ セント・ジョンズ・カレッジ蔵 より 
〈キリストの復活〉刑吏の頭部    (サウザンプトン詩篇集) 10c末 ケンブリッジ セント・ジョンズ・カレッジ蔵 より 
〈聖マタイの象徴〉の頭部       (エヒテルナッハの福音書〉 8c前半 パリ国立図書館蔵より
洗礼者ヨハネ              1342~54年 ヴェネツィア サン・マルコ大聖堂
キリストの顔               7c メトロポリタン美術館蔵(遺物器)の装飾より  
ホレブ山[シナイ山]でのモーゼ     6c前半 ラヴェンナ サン・ヴィッターレ聖堂

なのです
一言で言えばカワイイ精霊聖人たち
この感覚は東洋であまり見かけないような
明時代景徳鎮の上絵付であるかなあ
厳粛な宗教行事で使うものであるかどうか思いつきません






















  1. 2017/06/12(月) 00:00:00|
  2. 中世キリスト教美術 Middle Ages Christianity art
  3. | コメント:0
次のページ