
シズルさんは、この現場(制作会)を最後にモデルの仕事を辞めようかと考えていました。
―もう40だしねぇ、大丈夫ですかねぇ。
と彼女
そこで
―大丈夫、大丈夫、美術モデルはファッションモデルと違って見た目が可愛いとか、きれいとか、スタイル良いとか全然関係ないですから、人間だったらいいんですよう!
と舌の上を通過しようとするその瞬間に、ハッと気づいて歯を喰いしばって喉の奥に押し戻しました。
危うくつられて、まるで彼女が大変な人であるかのように言うところでした。(汗)
今から思うに、シズルさんは何かに引け目を感じて迷ってる背中を押してほしいだけだったのでしょうか。
それとも、会場で感じたことに対する彼女なりのエクスキューズだったのでしょうか。
年齢、肉体、経歴、その他、
その人自身でないと持ち合わせない「美しさ」が、老若男女問わず誰にもあると私は思っています。
―だからあなたは大丈夫
と、こう言ってあげればよかったのでしょうか。
後日、風の便りに彼女が美術モデルの仕事を続けていると聞きました。
よかった、よかった。
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- 2012/06/17(日) 22:56:43|
- 彫刻 sculpture
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*版画愛好家より
彼はセルバンテスの「ドン・キホーテ」を好んで絵のモチーフにしたようです。自分自身のイメージが、時代遅れの価値観をかたくなに守る滑稽ともいえる存在だったということでしょうか。
しかしながら若い時の彼は、当時最新の技術であった石版画の技術をいち早く身につけてパリの風刺新聞などでその能力を遺憾なく発揮したことで知られています。
ブルジョワや王族を描くときの辛辣さで投獄の憂き目も見ています。
一方パリの市民生活を見る目は温かく、何気ない暮らしの一こまをしみじみとした共感やユーモラスをもって描いてもいます。もしもミレーが都会を愛していたらこんな絵を描いたのではと思わせるものがあります。
晩年にバルビゾン派の画家たちと親交を結ぶようになるのもうなずける話です。
最後には失明しコロ―に贈られたちいさな家で息を引き取ったそうです。
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- 2012/06/03(日) 01:02:42|
- ドーミエ Honoré Daumier
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