彫刻家の素描手帳 -Sketchbook by sculptor-

京都で彫刻家として活動しています。素描を主にお見せします。In Kyoto, working as a sculptor. The show mainly drawings.The one wants to look at a sculpture, please click the "sculpture" of the left category column. Thank you!

円空研究補遺 Ⅺ Enku research addendum

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地蔵菩薩 Jizo bodhisattva


8月以来続けた円空研究と円空研究補遺はこの回をもって一応の区切りとします
別に円空研究をやめるわけではないのでまたまとまったらアップしますが
今回のように集中してやる機会がまたやってくるかどうか
皆さんの中にはスケッチと彫ったもの併せてたかだか60で
生涯に12万体の仏像を刻んだといわれれる円空の
一体何がわかったつもりかとお感じの方もいらっしゃるでしょう
その通りです


・・・・その通りですがそれだと話が終わってしまいますので
もう少し

お気づきの方もいらっしゃるでしょうが
わたしは多くの円空仏の「顔」にしか興味を持てませんでした
首から下 胴部 脚部まで関心を持って私が模写したものは少ない
知らぬ間にどこかの学校や本で吹きこまれ仕込まれた妙ちくりんな知識が邪魔をしたのかもしれません
お叱りを恐れずに言いますと
飛鳥時代から少なくとも室町時代の頂相までの仏像や肖像は頭の天辺から爪先まで関心をもって眺められるのですが
円空仏でそれをやるとその多くに「弱さ」を感じざるを得ないのです
興味が続かない

おそらく円空は現代のわれわれが言うところの
「軸」とか「面の組み立て」とか「ムーブマン」などという狭い価値観などどうでもいいという
境地にいた人だろうと思います
結果など恐れずどんどん造仏していくことが仏道修行そのものであるというような
「きれいなもの」など都の仏師たちに任せておけばいいというような・・・・・
結果的に
現代人で江戸時代の仏師はと問われて
円空と木喰以外の名を挙げられる人が一体何人いることか
名を残したのは奇しくも共に木喰行をこなした僧侶であり我流を貫いたこの二人です

でも私は
まだまだ先の見えない世界でもがき続けるんだろうな














IMG_0027お地蔵ちゃん
ではまたね! see ya!


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  1. 2016/10/27(木) 00:00:00|
  2. 木彫 wood carving
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雀 (円空研究Ⅹ)  Sparrow (Enku research)

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DSC01801b.jpg ←クリック拡大Click to enlarge


おそらくは遊行中通りがかった村でもらった薪などを
彫って刻んで木の節もなんのそのという
円空仏の荒々しさに魅せられると
手元にある古材端材すべてが可能性あるものに思え
捨てられなくなってしまいます

そんな中で
これは私の木の節を活かしたもの1号となりました
ほんの小さなものですが
ザクッとしたノミ跡のなか
背中に現れた節による木目が
得も言われぬ窪みと頭のボリューム感とを出してくれました










今日で8月も終わり
早く過ぎればいいと思う夏も終わりの気配がする頃には何とも言えず寂しい気持ちになります
こんなふうに思う季節は夏だけです

  1. 2016/08/31(水) 00:00:00|
  2. 木彫 wood carving
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大黒天 (円空研究Ⅸ)  Daikokuten (Enku research)

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こうやって画像にして皆様に公開して初めて気づく
あるいはそうしないと気付かないことって結構ありまして・・・・・

手がねえ・・・・・
何ともならなかったんでしょうねその時は
伸びしろがまだまだありますね  ( ̄∇ ̄;)ハッハッハ


大黒天は日本で大国主命と習合し富貴福徳をつかさどる七福神の一柱とされて「黒」の意がかすんでいますが
もともとはヒンドゥーのシヴァ神の化身のひとつで
マハーカーラ 偉大な暗黒の神 
富貴財運に加え戦闘と冥府の神でもあり葬儀葬送処刑の地に住み血肉を喰らう神であることを忘れないようにしたいものです














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  1. 2016/08/28(日) 00:00:00|
  2. 木彫 wood carving
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阿弥陀如来像 (円空研究Ⅷ) Amida Buddha (Enku research)

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円空の運刀を意識しながら如来像に挑戦してみます
自分としては阿弥陀如来のつもりです

彼の遊行の足跡は「東の行基」とも称される泰澄という高僧の足跡を意識したものであるようです
「遊行僧の装束に身を包み気ままな旅の徒然に遊び心たっぷりに仏像を彫り路銀代わりに行く先々に残していった」
なんてとんでもない誤解でした
円空がただ荒っぽいだけの運刀で造像したのではないことがよくわかりました



ところで8月24日は円空の命日で今年は321周忌です
よく訪問してくださる方のご教示でわかりました
そのような時期に円空研究の記事を並べることができて幸せです
この近代彫刻を先取りしたかのような独創的な偉人への私なりの供養と報告になったように思います













それにしても汚い指ですねエ

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  1. 2016/08/24(水) 00:00:00|
  2. 木彫 wood carving
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翁面 Mask of Old man (円空研究Ⅶ)

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円空の運刀を意識しながら彫ってみます
もちろん本来の目的である地蔵菩薩の仕事(研究Ⅰ)と同時進行です
地蔵菩薩制作が行き詰まる度こういうことをして検証をしました
お待ちになっている方には申し訳ないことですが随分時間のかかる作業でした

















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  1. 2016/08/22(月) 00:00:00|
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翁面 Mask of Old man (円空研究Ⅵ)



能楽の源流と言われる翁猿楽(あるいは式三番)の翁面より

丹波篠山に能楽資料館ー丹波猿楽をはじめ、能面・装束・楽器など能に関する貴重な品々の収集・研究を行う全国で唯一の能楽資料館ーというところがあります
そこにある室町時代の翁面を私はたいそう気に入っていて
いつか自分もこんなふうに老人を造形し作ってみたいものだと思っていました

習作の課題としては随分とハードルが高いものですがよい機会と思い彫ってみました













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  1. 2016/08/21(日) 00:00:00|
  2. 木彫 wood carving
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鬼面 Mask of demon (円空研究Ⅴ)

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これも自身のなかに「円空的なるもの」があるかどうかを検証確認するための習作です
能面のなかの悪尉類のイメージだったのですが
手元の資料では悪尉類には鼻の下にひげがあるので外れてしまったようです

それはともかく
悪尉類の放つ鬼気が円空の刀法に倣ったやり方で出せるかどうかが課題です



関西出身在住の私が円空の地元名古屋のお寺の依頼で
中京出身在住の彫刻家の方々をさしおいて
「円空風に」作ることを軽々とお引き受けしたのですが
今考えても冷や汗がでます
勘違いしてナゴヤドームにたった一人で乗り込んじゃった阪神ファンという気分です















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  1. 2016/08/20(土) 00:00:00|
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菩薩頭部 Bodhisattva head (円空研究Ⅳ)

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こうして円空のノミ跡をたどるような習作をしていると
やはり見ているだけではわからないことに気が付きます
円空の仏像にはノミの刃が欠けたような痕跡があまり窺えないことから
野人円空も刃が欠ける度丁寧に刃を研いでいたことになります
つまり彼は諸国遊行の旅に砥石を持参していた(あるいは行く先々で調達していた)
砥石は少なくとも荒砥中砥仕上げ砥の3種類持たねばならないしどこでも都合よく手に入るものでもありません
荷物には砥石とノミとおそらくノコギリも(近世畸人伝僧円空の挿絵に従えば鉈も)
徒歩の旅にはさぞかし邪魔で重たい荷物だったことでしょう












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  1. 2016/08/19(金) 00:00:00|
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仏頭 Head of Buddha  (円空研究Ⅲ)

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円空を私はだいぶ甘く見ていたようです
たかだか日本で学んだ近代彫刻 西洋彫刻の素養をベースに
「ルールから外れている」と言ったところで
円空の何がわかった気でいたのか
真冬の飛騨山中の洞窟に籠り造仏三昧の修行をこなす鋼のような精神の
何に触れた気でいたのか
今更わが身の拙さ情けなさに寒気がします

しかしながらお引き受けしたことはお引き受けしたこと
どう対処するかは人それぞれ
私はこのようなものを彫ってみる確認作業から着手するより仕方ありませんでした

楽しみにお待ちになっていることはもちろんわかっているのですが・・・・・














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  1. 2016/08/16(火) 00:00:00|
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高照寺 木造地蔵菩薩立像 Koshoji-temple Wooden Ksitigarbha statue (円空研究Ⅰ)

学生時代にご縁をいただいたとある方
その方は名古屋は八事天道に位置する高照寺様のご家族でした

何よりドイツ語の学習を通じていただいたご縁ですので
話題は自然にドイツをはじめとする文学の話で
その頃はご実家のことを世間話の種にお話しになることはあってもさして気にも留めていませんでした

卒業し 砂をかむ思いの東京暮らしにもピリオドを打ち
ヒトの生涯なんてこんなものかなと
諦観にも似た京都の暮らしも長くなった頃
突如「仏像を彫ってくれないか」とのご依頼が舞い込みました
聞けば境内にある付属幼稚園の園舎建て替え工事に伴い
根を傷つけてしまったのか
幼い頃からの思い出深いクヌギの大木が枯れてしまったと
そこで ただ伐採し捨てるに忍びなく水嶋に声がかかったと言う訳です




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  1. 2016/08/13(土) 00:00:00|
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