彫刻家の素描手帳 -Sketchbook by sculptor-

京都で彫刻家として活動しています。素描を主にお見せします。In Kyoto, working as a sculptor. The show mainly drawings.The one wants to look at a sculpture, please click the "sculpture" of the left category column. Thank you!

中世キリスト教美術 XXVIII Be in love in the Western Middle Ages

IMG_0002b_20170723191200313.jpg
《デイシスの聖母》 13c末 モザイク イスタンブール アギア・ソフィア大聖堂
"Our Lady of Deis" The end of 13 c, Mosaic, Istanbul, Agia Sophia Cathedral

古代ギリシアの壺絵や古代ローマの壁画をいくつか見たことはあるのですが
正直言って時を忘れて絵に捉えられてしまうという経験はありません

初期キリスト教美術や中世キリスト教美術になると
絵の前で動けなくなるような思いが湧いてきたりします
12使徒という貴種でも英雄でもない元は市井の人間(ある意味キリストも)を
モチーフに制作し始めたことと関係あるような気がします
























  1. 2017/07/24(月) 00:00:00|
  2. 中世キリスト教美術 Middle Ages Christianity art
  3. | コメント:0

中世キリスト教美術 XXVII Be in love in the Western Middle Ages



《聖母子》 7c イコン ローマ サンタ・フランチェスカ・ロマーナ教会
"Virgin and Child" 7c Icon Rome Santa Francesca Romana Church

美術工芸に携わるものがいくら精進を重ね手の巧緻性を高め
合理的な空間認識合理的な人体比例の把握を手に入れようが
正教会のイコンの持つ魅力や値打ちが失せることはなさそうです
やはり絵画をはじめ美術の値打ちは心の問題であるからでしょうが
心の問題が手の巧緻性や合理的な認識を必ずしも要求しないというのは面白いことです
古来各分野の名人名工と言われる人の徒労に等しいともいえる日々の精進に稽古や練習が
いわゆる「上手」になることを必ずしも目指していないことになってしまします

それでは彼らは何を目指してルーチンワークにいそしむのか



















 
  1. 2017/07/22(土) 18:00:00|
  2. 中世キリスト教美術 Middle Ages Christianity art
  3. | コメント:0

中世キリスト教美術 XXVI Be in love in the Western Middle Ages

IMG_0002b_20170710095015118.jpg
《受胎告知》 1100 ギリシャ ダフニ修道院
"Annunciation" 1100 Greece Daphne Abbey

ビザンチン帝国の文化を受け継いでいく正教会
特異な発展を遂げるロシア・イコン
それらをシャッフルして繰り返しながめる

何かつかめるかな















  1. 2017/07/16(日) 09:00:00|
  2. 中世キリスト教美術 Middle Ages Christianity art
  3. | コメント:0

中世キリスト教美術 XXV Be in love in the Western Middle Ages

IMG_0003b_20170710094956f17.jpg
《キリストの昇天》より キリストの昇天を見守る使徒たち 11c前半 マケドニア オフリド スヴェータ・ソフィア大聖堂
'Ascension of Christ' 11c First half Macedonia Ohrid Sveta Sophia Cathedral

マケドニアなんて日本でごく普通に西洋美術史を学ぶ際には
ほとんどノーマークの地です
古代ギリシャ・ローマに目をやって
中世を駆け足で通り過ぎ
やっとイタリアルネサンスのページを開き西洋美術史の勉強が本格化するといった調子でしょうか
ヨーロッパ中世の強大国ブルガリア帝国の首都があった町オフリドなんて言われてもね

正教会の文化芸術と近代のロシア
その始まりともいえるビザンチン帝国の文化
ここに例えばドストエフスキー的なものトルストイ的なもの
チャイコフスキー的なものラフマニノフ的なものその他諸々を感じ取ろうとする試みは無駄なことでしょうか

カトリックとプロテスタント
それぞれお国柄であったり人生に向かう態度であったり
なんとなく手触りのようなものを感じ取れるのですが
正教会のそれは?????

彫刻をつくっている経験から言わせていただければ
コンストラクティブな感銘を受ける造形表現が多くはないような・・・・・・・
















  1. 2017/07/15(土) 00:00:00|
  2. 中世キリスト教美術 Middle Ages Christianity art
  3. | コメント:0

中世キリスト教美術 XXIV Be in love in the Western Middle Ages

IMG_0001b_20170709224754343.jpg
《聖ディミトリオスと聖職者たち》 7c中ごろ ギリシャ テッサロニキ アギオス・ディミトリオス聖堂

原画はモザイクで私がヨーロッパ中世のキリスト教美術への関心を持つきっかけになった作品です
聖ディミトリオスは初期キリスト教の殉教者の一人ですが詳しいことはわかりません


具体的な人物を表しながら観念的な形体

人物の形を目で追っていくうち
図示されたものとは別次元の
モザイクが放つ色彩の法悦のようなものに捉えられてしまいました
曰く説明しがたい経験です

そういった経験を通じて私は「抽象」絵画の意味をすんなりしっかり会得できたように思っています



















  1. 2017/07/10(月) 00:00:00|
  2. 中世キリスト教美術 Middle Ages Christianity art
  3. | コメント:0

中世キリスト教美術 XXIII Be in love in the Western Middle Ages

IMG_0001b_20170603200400c45.jpg
〈聖ゲオルギウス〉  ノーヴゴロト派 15c初  サンクトペテルブルク ロシア美術館 より

ジョージやジョルジョにゲオルクなどがゲオルギウスの転訛であることをご存知の方は多いかと思います
聖ゲオルギウスはイングランドやジョージ(グルジア) モスクワの守護聖人で
特にイングランドは白地に赤い十字の図案のセント・ジョージ・クロスを国旗に採用しています
サッカーワールドカップの中継などでよくみかけますよね

ちなみにイギリスの国旗ユニオンジャックは
アイルランドの旗セント・パトリック旗(白地に赤の斜め十字)
スコットランドの旗セント・アンデレ旗(青地に白の斜め十字)
にイングランドの旗を組み合わせたものです
時節柄イギリス在住国籍のイスラム教徒の方々の心情が思われます
もちろん逆の新月を配した国旗の国に住むキリスト教徒の場合もあることですが
イギリスの場合は中東の混乱の種を撒いた重大な原因者として事態の収拾に努める姿を見せてほしいものです
イギリスが中東難民に門戸を開くのは当然の責務と思うのですが・・・・・・
















  1. 2017/07/08(土) 09:00:00|
  2. 中世キリスト教美術 Middle Ages Christianity art
  3. | コメント:0

中世キリスト教美術 XXII Be in love in the European Middle Ages


ジャン2世の肖像 1360年ころ ルーブル美術館蔵より
*この絵はキリスト教とは直接関係ありません

14世紀にもなると王侯貴顕や教会への高額寄進者など世俗の人々が絵画のモチーフとして
どんどん登場します
フランスにも数百年の後西洋美術史に燦然と輝くフランス絵画の萌芽
ジャン・フーケが登場します

ジャン・フーケで言えば
昔の友達でこんなのがいました

パリ旅行にちょくちょく出かける女の子が好きになり
マリー・ローランサンや19世紀ヴィクトリア朝の絵画が好きな子に
渋いところを見せようとして「フランス美術っていいですよね」とあろうことかジャン・フーケの画集をプレゼントして
「こういうものには好みがありますから」と突き返され
あっけなく沈没したという話です
彼の美術の鑑賞眼はかなりなものですが女性を見る目はかなり残念なものだったようです(笑)






















  1. 2017/07/01(土) 00:00:00|
  2. 中世キリスト教美術 Middle Ages Christianity art
  3. | コメント:0

中世キリスト教美術 XXI Be in love in the European Middle Ages

IMG_0014b_20170628191020842.jpg
〈お告げ〉の天使 絹織物 9c初頃 ヴァチカン美術館蔵より
Angel of Announcement, Silk fabric, 9c Early time, Vatican Museum

このシリーズの記事を更新しながら
若き日河原町通りの京都書院や駸々堂で立ち読みした
平凡社ファブリ世界名画集のルネサンス初期の画家たちのことを思い出します
彼らのちょっと変な人体や空間に途轍もなく大事なことを感じてから
私のヨーロッパ中世への扉が開かれていったように思います

中世の画工たちは近世以降の画家たちと比べれば児戯に等しいような画技でありながら
何か離れ辛い不思議な魅力に溢れています


























  1. 2017/06/29(木) 00:00:00|
  2. 中世キリスト教美術 Middle Ages Christianity art
  3. | コメント:0

中世キリスト教美術 ⅩⅩ Be in love in the European Middle Ages

IMG_0011b_20170625075334563.jpg
〈聖母子〉 (エチミヤジンの福音書より) 989 アルメニア エレバン 古文書館マテナダラン
(Virgin and Child〉 (From the Gospel of Ejmiatsin) Armenia Yerevan Archaeological Museum Matenaland

アルメニアに世界最古の教会があります
エチミヤジン大聖堂です
1世紀には十二使徒聖タダイ 聖バルトロマイが伝道し殉教してるんですね

思うにキリスト教は発祥の地から主に西に広がり
仏教は主に東へ広がり
イスラム教だけが東西に広がってますね
くわしく調べると面白そうです

















  1. 2017/06/28(水) 00:00:00|
  2. 中世キリスト教美術 Middle Ages Christianity art
  3. | コメント:0

中世キリスト教美術 ⅩⅨ Be in love in the European Middle Ages


〈哀哭〉画面中の天使 1304-06 ジョット・ディ・ボンドーネ パドヴァ スクロヴェーニ礼拝堂
〈Lamentation〉 Angel in the picture 1304-06, Giotto di Bondone, Padua Scrovegni Chapel

中世末期 ルネサンス初頭 ジョットが登場します
ジョットの登場を以ってルネサンスの開闢とするようです
中世の硬直し象徴的に表現された人物に対し
初めてヒトを”生きているように”表現した画家と言うことです
ヴァザーリの画家列伝に
羊飼いの少年ジョットが岩に羊の絵を描いていたところたまたま大画家チマブーエ通りがかり
生きているように描かれた羊に大いに驚き父親に掛け合い弟子にしたのだという話がのっています
描写の能力をもって画才の現れとする典型的な伝説です

「ジョットがいればレオナルドはいらない」とは美術史家の千足伸行氏の言であったと記憶しています
(確認のため検索したのですがどこにも見当たりませんでした)
美術に長くかかわっておられる方には大してびっくりするような発言でもないはずです
いささかセンセーショナルな響きがありますが美術史の文脈に沿った名言と言えるのではないでしょうか
ジョット(あたり)以降 中世の硬直し象徴的な表現に対し写実的で自然な表現が優勢になっていく
その美術史上の重要なターニングポイントに位置するのはジョットであり
大勢が決してからその行程上にレオナルドは登場したということでしょうか

感じることと見ること
聖性と俗性
と言う二項対立にもならないしどちらとも言えないもので世界は満たされているのですが
私はどちらに与するのかと問われれば
ただし極論で
「中世があればルネサンス以降はいらない」とでも返答しておきましょう








  1. 2017/06/26(月) 00:00:00|
  2. 中世キリスト教美術 Middle Ages Christianity art
  3. | コメント:0
次のページ