彫刻家の素描手帳 -Sketchbook by sculptor-

京都で彫刻家として活動しています。素描を主にお見せします。In Kyoto, working as a sculptor. The show mainly drawings.The one wants to look at a sculpture, please click the "sculpture" of the left category column. Thank you!

秋の雨 Autumn Rain   ― 雨で石膏を硬化させるイベント Event to hardened plaster in the rain  ― 

貝塚まちなかアートミュージアム2016の出品作です
貝塚市水間地区のK氏宅の庭をお借りしました

庭にあった枯れた池と蹲
水のあり様を楽しむための設えに粉末の石膏を入れ
雨によって硬化させるイベントを行いました
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  ―会場のキャプションに添えた文章より

「私たち日本で美術に携わる者は誰しも、その色合いや素材の選択、世界観の形成などについて日本の風土が織り成す風景と生活文化の影響を抜きに考えることはできないと思います。
そして日本の風土が織り成す風景と生活文化の正体はといえば、それはこの地域独特の気候による豊富で澄明な水をもたらす降雨とはっきりとした四季の変化であると気付かされます。
初めてこの松本氏邸を下見に訪れた時、水間地区全体を滔々と流れる用水を引き込み、庭に池や幾つもの手水鉢など水を楽しみ愛でるための設えが多くあるのに驚きました。
そして改めて日本人と水との関わり合いについて考えずにいられませんでした。

古来、日本美術には山水図や四季耕作図など水と季節とヒトの営みとの強い関わりを表現したものが数多く存在します。この度私が試みたことは、そうした伝統の上に立ち新しくその伝統につなげていけるものはないものかと思案した結果です。
石膏を屋外に放置すれば湿度に反応し、いずれ数日のうちに雨水によって硬化する―そんな日本では当たり前の事柄に、私は驚き感謝したいと思います。

貝塚に降る秋の雨の一粒一粒を石膏の痕跡と結晶(CaSO₄・2H₂O)に残し、この試みは完成します。」






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池と蹲とは別に蹲を二つ庭に設えておられます

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通りより望むK氏宅
石垣の上の植栽の中に池があります


展覧会全体のレポート記事は現在編集中です
出来上がり次第アップロードします お楽しみに!









テーマ:art・芸術・美術 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2016/12/01(木) 00:00:00|
  2. インスタレーション Installation
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円空研究補遺 Ⅺ Enku research addendum

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地蔵菩薩 Jizo bodhisattva


8月以来続けた円空研究と円空研究補遺はこの回をもって一応の区切りとします
別に円空研究をやめるわけではないのでまたまとまったらアップしますが
今回のように集中してやる機会がまたやってくるかどうか
皆さんの中にはスケッチと彫ったもの併せてたかだか60で
生涯に12万体の仏像を刻んだといわれれる円空の
一体何がわかったつもりかとお感じの方もいらっしゃるでしょう
その通りです


・・・・その通りですがそれだと話が終わってしまいますので
もう少し

お気づきの方もいらっしゃるでしょうが
わたしは多くの円空仏の「顔」にしか興味を持てませんでした
首から下 胴部 脚部まで関心を持って私が模写したものは少ない
知らぬ間にどこかの学校や本で吹きこまれ仕込まれた妙ちくりんな知識が邪魔をしたのかもしれません
お叱りを恐れずに言いますと
飛鳥時代から少なくとも室町時代の頂相までの仏像や肖像は頭の天辺から爪先まで関心をもって眺められるのですが
円空仏でそれをやるとその多くに「弱さ」を感じざるを得ないのです
興味が続かない

おそらく円空は現代のわれわれが言うところの
「軸」とか「面の組み立て」とか「ムーブマン」などという狭い価値観などどうでもいいという
境地にいた人だろうと思います
結果など恐れずどんどん造仏していくことが仏道修行そのものであるというような
「きれいなもの」など都の仏師たちに任せておけばいいというような・・・・・
結果的に
現代人で江戸時代の仏師はと問われて
円空と木喰以外の名を挙げられる人が一体何人いることか
名を残したのは奇しくも共に木喰行をこなした僧侶であり我流を貫いたこの二人です

でも私は
まだまだ先の見えない世界でもがき続けるんだろうな














IMG_0027お地蔵ちゃん
ではまたね! see ya!


テーマ:日本文化 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2016/10/27(木) 00:00:00|
  2. 木彫 wood carving
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雀 (円空研究Ⅹ)  Sparrow (Enku research)

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DSC01801b.jpg ←クリック拡大Click to enlarge


おそらくは遊行中通りがかった村でもらった薪などを
彫って刻んで木の節もなんのそのという円空仏の荒々しさに魅せられると
手元にある古材端材すべてが可能性あるものに思え捨てられなってしまいます

そんな中でこれは私の木の節を活かしたもの1号となりました
ほんの小さなものですがザクッとしたノミ跡のなか
背中に得も言われぬ窪みと頭のボリューム感が出てくれました










今日で8月も終わり
早く過ぎればいいと思う夏も終わりの気配がする頃には何とも言えず寂しい気持ちになります
こんなふうに思う季節は夏だけです

  1. 2016/08/31(水) 00:00:00|
  2. 木彫 wood carving
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大黒天 (円空研究Ⅸ)  Daikokuten (Enku research)

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こうやって画像にして皆様に公開して初めて気づく
あるいはそうしないと気付かないことって結構ありまして・・・・・

手がねえ・・・・・
何ともならなかったんでしょうねその時は
伸びしろがまだまだありますね  ( ̄∇ ̄;)ハッハッハ


大黒天は日本で大国主命と習合し富貴福徳をつかさどる七福神の一柱とされて「黒」の意がかすんでいますが
もともとはヒンドゥーのシヴァ神の化身のひとつで
マハーカーラ 偉大な暗黒の神 
富貴財運に加え戦闘と冥府の神でもあり葬儀葬送処刑の地に住み血肉を喰らう神であることを忘れないようにしたいものです














テーマ:仏教・佛教 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2016/08/28(日) 00:00:00|
  2. 木彫 wood carving
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阿弥陀如来像 (円空研究Ⅷ) Amida Buddha (Enku research)

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円空の運刀を意識しながら如来像に挑戦してみます
自分としては阿弥陀如来のつもりです

彼の遊行の足跡は「東の行基」とも称される泰澄という高僧の足跡を意識したものであるようです
「遊行僧の装束に身を包み気ままな旅の徒然に遊び心たっぷりに仏像を彫り路銀代わりに行く先々に残していった」
なんてとんでもない誤解でした
円空がただ荒っぽいだけの運刀で造像したのではないことがよくわかりました



ところで8月24日は円空の命日で今年は321周忌です
よく訪問してくださる方のご教示でわかりました
そのような時期に円空研究の記事を並べることができて幸せです
この近代彫刻を先取りしたかのような独創的な偉人への私なりの供養と報告になったように思います













それにしても汚い指ですねエ

テーマ:仏教・佛教 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2016/08/24(水) 00:00:00|
  2. 木彫 wood carving
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翁面 Mask of Old man (円空研究Ⅶ)

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円空の運刀を意識しながら彫ってみます
もちろん本来の目的である地蔵菩薩の仕事(研究Ⅰ)と同時進行です
地蔵菩薩制作が行き詰まる度こういうことをして検証をしました
お待ちになっている方には申し訳ないことですが随分時間のかかる作業でした

















テーマ:伝統芸能 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2016/08/22(月) 00:00:00|
  2. 木彫 wood carving
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翁面 Mask of Old man (円空研究Ⅵ)



能楽の源流と言われる翁猿楽(あるいは式三番)の翁面より

丹波篠山に能楽資料館ー丹波猿楽をはじめ、能面・装束・楽器など能に関する貴重な品々の収集・研究を行う全国で唯一の能楽資料館ーというところがあります
そこにある室町時代の翁面を私はたいそう気に入っていて
いつか自分もこんなふうに老人を造形し作ってみたいものだと思っていました

習作の課題としては随分とハードルが高いものですがよい機会と思い彫ってみました













テーマ:伝統芸能 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2016/08/21(日) 00:00:00|
  2. 木彫 wood carving
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鬼面 Mask of demon (円空研究Ⅴ)

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これも自身のなかに「円空的なるもの」があるかどうかを検証確認するための習作です
能面のなかの悪尉類のイメージだったのですが
手元の資料では悪尉類には鼻の下にひげがあるので外れてしまったようです

それはともかく
悪尉類の放つ鬼気が円空の刀法に倣ったやり方で出せるかどうかが課題です



関西出身在住の私が円空の地元名古屋のお寺の依頼で
中京出身在住の彫刻家の方々をさしおいて
「円空風に」作ることを軽々とお引き受けしたのですが
今考えても冷や汗がでます
勘違いしてナゴヤドームにたった一人で乗り込んじゃった阪神ファンという気分です















テーマ:仏教・佛教 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2016/08/20(土) 00:00:00|
  2. 木彫 wood carving
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菩薩頭部 Bodhisattva head (円空研究Ⅳ)

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こうして円空のノミ跡をたどるような習作をしていると
やはり見ているだけではわからないことに気が付きます
円空の仏像にはノミの刃が欠けたような痕跡があまり窺えないことから
野人円空も刃が欠ける度丁寧に刃を研いでいたことになります
つまり彼は諸国遊行の旅に砥石を持参していた(あるいは行く先々で調達していた)
砥石は少なくとも荒砥中砥仕上げ砥の3種類持たねばならないしどこでも都合よく手に入るものでもありません
荷物には砥石とノミとおそらくノコギリも(近世畸人伝僧円空の挿絵に従えば鉈も)
徒歩の旅にはさぞかし邪魔で重たい荷物だったことでしょう












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  1. 2016/08/19(金) 00:00:00|
  2. 木彫 wood carving
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仏頭 Head of Buddha  (円空研究Ⅲ)

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円空を私はだいぶ甘く見ていたようです
たかだか日本で学んだ近代彫刻 西洋彫刻の素養をベースに
「ルールから外れている」と言ったところで
円空の何がわかった気でいたのか
真冬の飛騨山中の洞窟に籠り造仏三昧の修行をこなす鋼のような精神の
何に触れた気でいたのか
今更わが身の拙さ情けなさに寒気がします

しかしながらお引き受けしたことはお引き受けしたこと
どう対処するかは人それぞれ
私はこのようなものを彫ってみる確認作業から着手するより仕方ありませんでした

楽しみにお待ちになっていることはもちろんわかっているのですが・・・・・














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  1. 2016/08/16(火) 00:00:00|
  2. 木彫 wood carving
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